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1月29日(金)テラス石森およびオンラインにて、「第2回たむら未来会議」を開催しました。 講師である一般社団法人全国農協観光協会 金子 衛氏より、地域資源の活用方法や体験メニューの作り方についてご説明いただき、イベント後半では田村市の地域資源を洗い出して体験メニューを考案するワークショップを開催しました。
■地域資源を活かした体験メニューの作り方
金子氏のお話しによると、地域住民にとっては普通だと思っていたことが、外部から来たお客様にとっては珍しいものだったということがあるそうです。そういったものが地域の宝「地域資源」として利用することができ、地域の発展に繋がります。
では、実際にどのようにコンテンツ化していけば良いのでしょうか?
体験メニュー(コンテンツ)作りの流れは下記のとおりです。
①地域資源の洗い出し
②体験コンテンツ作り
③販売
地域資源は人材、景観・自然、特産品、企業・組織、文化、宿・飲食店・体験施設など、いつくかの種類に分けられます。
体験メニュー作りはターゲットに合わせたコンテンツ作りがポイントとなります。性別、年代、旅の目的など顧客のニーズに応じた体験コンテンツを作ることが大切です。
また、宿泊とのセット販売、食事とのセット販売、単品販売など、販売の方法も考慮することが重要となります。さらに大前提として、商品化して販売するというゴールをイメージすること、地域のみんなで作り上げるということが鍵となります。
お客様のニーズ、観光関係者のニーズ、地域のニーズが重なった部分を目標に進めていくことが重要だと金子氏は仰っていました。
併せて、農泊についての具体例もお話しいただきました。
食の演出では、旬の食材を取り入れたり、ネーミングにもこだわり食事を提供。体験の演出としては、雪の下から白菜を掘り起こしての収穫体験。さらに農家民宿では住民との交流や、障子などの日本家屋の特徴が外国の方に人気だとのことです。

■ワークショップ
まずは田村市の地域資源を洗い出しました。
人、自然・景観、農林水産物、食事や生活、伝統や文化(歴史)、施設や建物などの分野にカテゴライズし、参加者それぞれの意見を出し合いました。
鬼伝説や各種農産物、鍾乳洞や磯前神社などの観光地、干し柿などの食事に関することなど多様な魅力が挙げられ、中でも「人」という分野に多く意見が出たところが特徴的でした。
「人」という分野は他の地域でワークショップを実施してもあまり意見が出ないところだそうですので、これは田村市の強みとなるのではないかと思われます。
地域資源を商品化していく上で注意していただきたいことは次のとおりです。
・体験メニューはできることからはじめる。
・とにかく楽しむ!
・地域の人をたくさん巻き込む!
・過剰なおもてなしはしない!
体験メニューを制作する際は、上記を心掛けていただければと思います。
さらに質疑応答ではこんなご質問がありました。
Q.農業体験を行っていたがこのコロナ禍でやらない方がいいか、感染対策をしっかり行って実施した方が良いか。
A.緊急事態宣言下では難しいと思うが、解除後に実施を予定しているところも多くある。施設における感染対策ガイドラインなどをもとに受け入れを行ってほしい。
Q.続けていくために値付けの基準はありますか。適正な値段の付け方を知りたい。
A.個人をターゲットしている場合はあまりダンピングは行われていないのではないかと思われます。個人旅行者向けは1泊1万円前後が多いと思われる。農林水産省が発行した「農泊の手引き」というものに価格設定の方法があるので参考にしていただければと思う。
最後に金子氏から「田村市は地域資源がこれだけある地域なので、ぜひ自信を持って欲しい。」とのメッセージを頂戴いたしました。
今回のセミナーはオンラインでの受講が4名、来場していただいての受講が8名でした。ご参加いただいた方より、ご自身が普段お考えになっていることを話せる機会があることは嬉しいとのお声をいただきました。 田村市の魅力を洗い出すワークショップでは、人や農林水産物の魅力が特に多くご意見が上がり、大変盛り上がりました。また県外の方からは、あったら良いなという体験メニューのアイディアを多くいただき、こちらもとても参考になりました。
ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。

弊社Switchでは市外の方に向けて情報発信するツールを開発中です。地域資源を活用した体験メニューを発信する際は、ぜひご活用ください。
【講師略歴】
一般社団法人全国農協観光協会 金子 衛氏
日本ファームステイ協会事務局として、全国の農泊取組地域や自治体、民間企業との調整業務のほか、各農泊地域において観光人材育成研修講師も務めている。https://jpcsa.org/
※一般社団法人全国農協観光協会とは?
日本ファームステイ協会発起人の一社であり、JAをはじめとする諸団体と協力して「都市農村交流事業」を企画・実践し、 農村と都市との交流促進を通して農地の多面的機能や景観保全の重要性、食と農の結びつきの大切さなどを啓発し、地域の活性化に取り組んでいる団体です。
【主催】田村市
本取組は「1次産業による持続的関係人口構築戦略※」の一環として実施しています。
※農林業を通じて地域活性化を図り、市外の方へ田村市の魅力を発信することで、移住・定住者を増やすための取り組み。
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